◆『電子タバコとの出会い』◆
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彼女の実家を訪れてから数週間。

禁煙とまではいかないが、極力本数を減らし、吸いたくなると、
彼女の姪の姿を思い出しては、なるべく吸わないように努力をつづけ、
なんとか1日1箱以内に抑える努力を続けていた。そんな時、
バレンタインデーに彼女からもらったプレゼント。
毎年、甘いものが嫌いな僕に、チョコレートを贈ることはなかったけれど、
たぶん一番驚いたものだ。それが、電子タバコ。もらったときは、
それが何か分からず、頭のなかに???がいっぱいになってしまった。
彼女が教えてくれるまで、しばし無言で立ち尽くしていた。
何度も使えるものだから、当然値段が張るのだが、まだ何も知らない僕は、
こんなもの、と思ってしまった。もしかしたら、それが顔に出ていたのか、
僕のリアクションがあまりに薄かったからか、彼女は不機嫌になり、
早々と帰ってしまったのだ。一人、家に残された僕は、じっくり電子タバコと対面した。
どうやら、禁煙を始めるためのスターターキットのようだ。それは、
スリーピース(本体が3つの部位からなるもの)式のものだった。
なるほど。充電して使うのか。説明書を読みながら、とりあえずフル充電してみる。
国内ではこのタイプが一流通しているらしいが、この時の僕はそんなことすら知らなかった。
あとから、自分が電子タバコマニアになるとは、この時知るすべもなかったのだ。
とにかく、もの珍しい目の前の物体に興味津々だった。